「お母さーん。おーい。お母さーん。冷蔵庫にチーズあったろ?」
「えっ? なに? お父さん… チーズ? チーズならあるけど…」
「ちょっと急いで持ってきてくれないか?」
「なに? どうしたの? はい。これ、チーズだけど…」
「いや、ほら…チクワなんだけどさ…ここに穴空いてるだろ?」
「うん。空いてるけど…」
「ちょっと良いか? この穴にチーズ詰めてみようと思ってさ…」
「なに? お父さんどうしたの? だ、だ、大丈夫? 頭おかしくなっちゃったの?」
「いや、ちょっと待ってくれ。どうしてもこの穴にチーズを詰めたいんだよ」
「たけし!たけし! 早く来てー!お父さんが…お父さんが…」
「どうしたの!? お母さん!」
「たけし!お父さんが…急にチクワにチーズを詰めたいって言いだして…止めてよ。たけし…お父さんを止めてぇ~!」
「ほら!たけし!見てみろ! チクワの穴にチーズが詰まっていくぞ! ほら!」
「どうしたんだよ? 親父… 仕事で疲れてるのかよ…話し聞かなくてごめんな。俺、ゲームばっかりしないで、これからはちゃんと親父の話し聞くよ。なぁ…親父…」
「母さん。これ、揚げてみてくれないか?」
こうしてあのチクワにチーズを入れて揚げたものが出来たんだと私は思っています。
あれ、めっちゃ美味くないですか?
はじめて はじめる。
人に笑われても…止められても…勇気をもって初めて始めてみたいと思う今日。